こんにちは、現役保育士のかずこよです☆
今回は、保育施設で使われている「連絡帳」の活用方法について考察していきます。
連絡帳をなんとなく書いている保育者や、なんで必要なのと思っている保育者や保護者の方には、読んでもらいたい記事です。また、連絡帳の必要性はわかっているけど、具体的にどんなことが保護者支援になっているのかわからずにいる方にも役立つ内容になっていますので、ぜひ最後まで読んでみてください☆
連絡帳とは
保育施設では、ほぼ全ての施設で連絡帳を活用しているのではないでしょうか。
しかし、子どもが午睡をしている間にクラス全員分の連絡帳を書くのは,保育者にとっては結構な負担ですよね・・・
負担に感じ、毎日同じような内容になっていませんか?
例えば
・今日も○○君は元気に遊んでいました。ご飯もたくさん食べて、お昼寝もたくさんしました。
・今日は○○公園で滑り台をしたり、砂場で遊んできました。
・おままごとでご飯を持ってきてくれて可愛かったです。
これは、事実をしっかりと伝えていますが、なんか素気ないですよね。
家に帰って、保護者がこの文を読んでどう思うでしょうか?
多分「またこれか」と感じてしまうのではないかと思います。
では、連絡帳には何を書けばいいのか、どうしたらいいのでしょうか?
連絡帳はただの連絡ツールではない
連絡帳は
「保育者と保護者を結び付け、相互の情報共有を図る重要で、もっとも活用されてきたツール」
ー乳児保育における保護者支援研究ー 丸目 満弓
そして、連絡帳の持つ機能は2つあるとされています。
①保育記録としてのツール
・主に、子どもの健康状態や生活に関する内容
②保護者支援のツール
・主に保護者との信頼関係を築くための内容
多分、ほとんどの保育者が①保育記録としてのツールとして活用しているのではないでしょうか?
これでは連絡帳が本来持っている力を発揮できずもったいないことだと思います。
連絡帳を上手く活用できれば、保護者との信頼関係を築くこともでき、安心して預けていただけるようになり、それが園全体の評価に繋がっていくと考えます。それが前にも記事にした、「潰れない園」に繋がっていくのではないかと考えます。
①保育記録としてのツールができているのであれば、②のツールを使っていきましょう。
信頼関係を築くためのツールとしての活用方法
入園したてや進級したては保護者との信頼関係がまだできていない時期です。この時の保護者は、担任はどんな人かな、優しくしてくれるかな、ベテランかな、子どものことわかってくれるかななど様々な不安をもっています。
そんな時に「今日は泣かずに元気いっぱいで遊んでいました」という内容の連絡帳をもらって、保護者はどう思うでしょうか?
「良かった」と思うかもしれませんが、保育者との信頼関係にはなかなか繋がらない内容ですよね?
こういうことが1か月続き、半年続き、1年が終わるころまで続いた場合、保護者との信頼関係を作ることができるでしょうか?
なかなか保護者との信頼関係を築けない保育者はこういったことが原因な場合もあると考えています。
では、どんなことを書いていけば信頼関係を築いていけるのかというと
・保護者の質問や会話に対しての応答
・保育の記録としてのツール+子どもの前の姿との比較
・保育の記録としてのツール+保育者が援助したこと+課題にむけて
・保護者の質問や会話に対しての応答
連絡帳には保護者からの質問や会話が書かれていることが多いと思います。
4月の段階では保育者と保護者の双方が連絡事項で終わってしまうことがありますが、質問が保護者から出てきたときが信頼関係を築くチャンスになります。
その時に素っ気ない応答をしてしまうと、信頼関係を築くまでに時間がかかってしまうため、質問や会話には積極的に応答していきましょう。
例えば
「家でピーマンを一口食べました」と会話を投げられたときに、「良かったですね」だけではなく、「苦手だったピーマンを食べられたんですね。成長が見れて嬉しいですね」と気持ちを共感したりしていきます。嬉しいからこそ保護者は書いてきているので、共感の一言があるといいと思います。
また、「園ではどのような対応をしていますか?」と来たときには、「このように対応しています。今後はこのようにしていきたいと考えています。」など具体的なことを書いていきます。
このような応答をすることで、保護者は会話をしてよかった、質問をしてよかったと思い、信頼関係に繋がっていきます。
・保育の記録としてのツール+子どもの前の姿との比較
具体的にどんなことかというと
「今日は公園で滑り台をしました。昨日は階段の前で止まってしまいましたが、今日は保育者の援助をうけ、登り切りことができました。」
分解すると
・今日は公園で滑り台をしました。→保育の記録
・昨日は階段の前で止まってしまいましたが、今日は保育者の援助をうけ、登り切りことができました。→昨日との比較
このような連絡帳をもらった保護者は「しっかり自分の子を見てもらえている」と感じ、信頼関係に繋がっていきます。
・保育の記録としてのツール+保育者が援助したこと+課題にむけて
具体的にどういうことかというと
・今日はトイトレのため、1時間おきにトイレに連れていきましたが、おむつが4回中2回濡れていました。50分おきにトイレに連れていけば成功体験を重ねることができるかもしれないため、明日は時間を調整してみます。
このような連絡帳をもらった保護者は先ほどと同じように「しっかり自分の子を見てもらえている」と感じ、信頼関係に繋がっていきます。
連絡帳を活用していくことの利点
文字では伝えきれないことがたくさんあります。文字にすると冷たく感じてしまったり、文章力がなくてうまく伝わらなかったりします。しかし、連絡帳は毎日保護者ととれるコミュニケーションになります。
このコミュニケーションを大事にすることが保護者支援に繋がり、施設との信頼関係に繋がります。
保護者と信頼関係を築くことにより、クレームがクレームにならなかったり、保育を全面的に任せてもらえたりすることに繋がり、保育者自身のためにも繋がります。
連絡帳は保育者にとって、負担になってしまうことかもしれませんが、保育記録としてのツールやただの感想を書くだけとしての連絡帳を保護者支援のツールとして活用していただきたいです。
これからも保育や子育てのヒントを書いていきますので応援よろしくお願いします。
みなさんの生活がより良くなりますように・・・