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保育所保育指針解説「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」~道徳性・規範意識の芽生え~ 保育士の行う具体的な保育とは 

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こんにちはー

 

かずこよです☆

 

みなさん保育所保育指針の解説は読んでいますか?

保育士として働きだすと、忙しくてなかなか読み込めないのではないでしょうか?

そんな忙しい方のために、解説の重要なところを抜粋して(全部大事だから解説なのですが・・)そこから具体的な保育を考えていきたいと思います!

 

今回は保育所保育指針解説P73-P96 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿の

道徳性・規範意識の芽生え 

について考えていきたいと思います。

 

 

みなさんはこの10分―15分でいわゆる10の姿の一つを覚えることができますので、最後まで見てみてください☆

 

 

まずは、前提として

保育士は子どものどのようになってほしいかの姿を知る必要があります。

それが幼児期の終わりまでに育ってほしい姿として解説されていますが、解説の中にはこんなことも書いてあります。

実際の指導では、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」が到達す
べき目標ではないことや、個別に取り出されて指導されるものではない
ことに十分留意する必要がある。もとより、保育所保育は環境を通して
行うものであり、とりわけ子どもの自発的な活動としての遊びを通して、
一人一人の発達の特性に応じて、これらの姿が育っていくものであり、
全ての子どもに同じように見られるものではないことに留意する必要が
ある。

保育所保育指針ー厚生労働省ーP73)

 

 

要は子どもの発達には個別差があるので、目指すは目指すけど、絶対ではないよ!

また、遊びの中から育っていくから、全員が一緒ではないよ☆

とのことです。

しかし、目指すことはやめないでください。

 

エ 道徳性・規範意識の芽生え
友達と様々な体験を重ねる中で、してよいことや悪いことが分か
り、自分の行動を振り返ったり、友達の気持ちに共感したりし、相
手の立場に立って行動するようになる。また、きまりを守る必要性
が分かり、自分の気持ちを調整し、友達と折り合いを付けながら、
きまりをつくったり、守ったりするようになる。 

保育所保育指針ー厚生労働省ーP81

解説を全部読むと大変だと思うので、ここで大事な要素・単語を整理していきます

解説は記事の最後に乗せてあります。

 

道徳性・模範意識の芽生えはどのようにしたら育まれていくのかというと

・自己主張のぶつかり合いによる葛藤などを通して互いに理解し合う体験を重ねる中で育まれていく。

 

 

そして卒園時には

・相手の気持ちに共感したり、自分の行動を振り返ったりしながら、考えて行動をする姿が見られる。

・決まりを守る必要性がわかる。

・自分の気持ちを調整し、折り合いをつけながら決まりを作ったり、守ったりする

こういった姿が見られるようになり、ここが目指すべき姿になります。

しかし冒頭にも書きましたが、必ずしもこうなっていなければならないというわけではありません。

 

 

指針にこの姿に成長させるためには、保育士がどのようなことをしていけばいいのかも書いてあります。

それまでの子どもの経験を念頭に置き、相手の気持ちを分かろうとしたり、遊びや生活をよりよくしていこうとしたりする姿を丁寧に捉え、認め、励まし、その状況などをクラスの子どもにも伝えていく

遊びや生活の中で、子ども同士の気持ちのぶつかり合いや楽しく遊びたいのにうまくいかないといった思いが生じた場面をとらえて適切な援助を行う

保育所保育指針解説ー厚生労働省ーP82

 

 

ここから具体的な保育を考えていきましょう!

「それまでの子どもの経験を念頭に置き」ここが大事だと思います。

この部分が言いたいのは、子どもが今まで経験してきたことを保育者は知っていますか?ということです。

子どもがこの一年何をして、子どもがどんな経験をして、どんな発展があって、子どもがどんなことを考えてきたのかということを、しっかりと保育者が把握していないといけません。

それには記録がとてもだいじなツールになります。

記録は基本的なことですが、5歳児クラスとなると人数が多く、なかなか記録ってとりずらいと思います。

 

 

そんな時にお勧めの記録が「言葉メモ」です。

ノートに名前を書いて、その下に印象に残った会話の一部をメモします。

めったに喧嘩をしない子であれば

「○○君と喧嘩した」

「原因はどんなことだったの?」

「順番抜かされたから怒った」

と、こんな言葉さえメモしておけば、読み返したときにすぐに記憶がよみがえります。

そして、自分がどのような対応をしたのか、その後どんなことが起きたかというのがすぐに思い出せます。

 

 

言葉メモをすれば、個人日誌のような長い記録を書かなくて良くなります。

例)

A君と喧嘩した。滑り台の順番を抜かした、抜かされたということが原因だった。そのため「抜かされた子はどんな気持ちになる?」と相手の気持ちがわかるように声を掛けていった。今後も友達とのトラブルがあったときには相手の気持ちがわかるようにしていく

こんなことを一人一人書いていたら「記録をとる」ということを諦めてしまいますね。

「言葉メモ」も毎日5人ずつと決めれば1週間で全員を書き上げることが出来るので、記録をとるという行為に時間を取られないで済みます。

言葉メモを取ることで、子どもがどのようなことで、どのような経験をしたのかがわかるようになり、「遊びや生活をよりよくしていこうとするために、A君なりに、こういったことを頑張っているのか」と捉えられることが出来るようになるのではないかと思います。

 

 

そして次に

遊びや生活の中で、子ども同士の気持ちのぶつかり合いや楽しく遊びたいのにうまくいかないといった思いが生じた場面をとらえて適切な援助

を考えていきます。

お互いの気持ちがぶつかってしまう、遊びたいのに上手くいかない。

こういったことが起きてしまっているときに適切な援助とはどういった援助でしょうか?

それは「質問」をして考えるきかっけを作ってあげることです。

 

 

どうして相手が嫌な気持ちになっているのか?

どうして遊びが上手くいかないのか?

本人はわからないから衝突したり、上手くいかなかったりしているのです。

なので、

お互いに折り合いをつけるためにはどうしたらいいか一緒に考える。

どうしたら遊びが上手くいくか一緒に考える。

こういったことをしていくことが適切な援助だと思います。

今回は道徳性を育むということが目的になっています。

道徳性を育むために必要な質問は「振り返ることが出来る質問」だと思います。

 

 

気持ちのぶつかり合いから相手を叩いてしまったとき

例)

いま○○ちゃんをたたいて、○○ちゃんはどうなっちゃった?

泣いちゃってる

叩いちゃったことは謝るしかないけど、これから叩かないためにはどうすればいいかな?

 

遊びが上手くいかなかったとき

例)

今日は遊びが上手くいかなかったね。

どうしたら遊びが上手くいったかな?

それには○○ちゃんはどうしたらよかったかな?

 

 

こんな質問をしてあげれば振り返ることができます。

これからどうすればいいかの質問だけでなく

「どうしたらよかったか」も、しっかりと質問してあげると良いと思います。

道徳性・模範意識を育むために、「それをしたらダメ」と理由をつけないで叱る保育者がいるかと思いますが、なぜダメなのか。なぜ良いことなのか。理由も伝えていくということをしていってください。ただやみくもに「ダメ」と言っていると、いつまで経っても「良い行動・悪い行動の判断がつかない子」になってしまいます。「それをすると相手も怪我をするからダメ」と理由をつけて教えていく必要があります。

そういった前提のもと、5歳になれば質問をすれば、今までの経験から答えを自分で見つけ出すことが出来る子が多いと思います。

 

 

・言葉メモを取って子どもの経験を記録し、知っておく

・A君なりにこういったことを頑張っていると捉える

・振り返りができる質問をする

・前提として、良いこと・悪いことを理由と一緒に伝えている

こういったことをしていくと道徳性・模範意識の芽生えが育めるのではないかと思います。

今回はここまで!!

幼児期の終わりまでに育ってほしい姿は全部で10ありますが、今回ので4つ解説が終わりました!

次回は「社会生活との関り」について書いていきます。

 

 

 

エ 道徳性・規範意識の芽生え
友達と様々な体験を重ねる中で、してよいことや悪いことが分か
り、自分の行動を振り返ったり、友達の気持ちに共感したりし、相
手の立場に立って行動するようになる。また、きまりを守る必要性
が分かり、自分の気持ちを調整し、友達と折り合いを付けながら、
きまりをつくったり、守ったりするようになる。
道徳性・規範意識の芽生えは、領域「人間関係」などで示されている
ように、保育所の生活における他の子どもとの関わりにおいて、自分の
感情や意志を表現しながら、時には自己主張のぶつかり合いによる葛藤
などを通して互いに理解し合う体験を重ねる中で育まれていく。なお、
道徳性・規範意識の芽生えは、領域「人間関係」のみで育まれるのでは
なく、第2章に示すねらい及び内容に基づく保育活動全体を通して育ま
れることに留意する必要がある。
子どもは、他の子どもと様々な体験を重ねる中で、してよいことや悪
いことがあることを分かり、考えながら行動するようになっていく。卒
園を迎える年度の後半には、いざこざなどうまくいかないことを乗り越
える体験を重ねることを通して人間関係が深まり、友達や周囲の人の気
持ちに触れて、相手の気持ちに共感したり、相手の視点から自分の行動
を振り返ったりして、考えながら行動する姿が見られるようになる。ま
た、友達と様々な体験を重ねることを通して人間関係が深まる中で、き
まりを守る必要性が分かり、友達と一緒に心地よく生活したり、より遊
びを楽しくしたりするために、自分の気持ちを調整し、友達と折り合い
を付けながら、きまりをつくったり、守ったりするようにもなる。
この頃の子どもは、遊びの中で起きるいざこざなどの場面において、

友達の気持ちに共感したり、より楽しく遊べるように提案したりなどし
て、自分たちで解決したり遊びを継続したりするようになる。
例えば、大勢でルールのある遊びを楽しんでいる中で、ルールを守っ
ていても負け続けることに不満を感じた子どもが、気持ちが高じて相手
をたたいたことからけんかになり、ゲームが中断する。参加している子
どもが集まってきて、それぞれの言い分を聞いている。「負けてばっか
りだと嫌だよね」「だけど、たたいたらだめだよ。今のは痛かったと思
うよ。」「そっちのチームに強い人が多いから、負けてばっかりだと思
う」「じゃあ、3回やったらチームを変えるのはどう」などと、それぞ
れの子どもが自分の体験を基に、友達の気持ちに共感したり、状況を解
決するために提案したりすることにより続ける遊びは、今までよりも楽
しくなっていく。その過程では、自分の行動が正しいと思っていても、
話し合いの中で友達の納得できない思いを受け止めたり、友達に気持ち
を受け止めてもらったことで、自分の行動を振り返って相手に謝ったり、
気持ちを切り替えたりするなどの姿が見られる。このような出来事を交
えながら更に遊び込む中で、より面白くなるようにルールをつくり替え
たり、年下の子どもが加われば、仲間として一緒に楽しめるように特例
をつくったりするようになる。
保育士等はそれまでの子どもの経験を念頭に置き、相手の気持ちを分
かろうとしたり、遊びや生活をよりよくしていこうとしたりする姿を丁
寧に捉え、認め、励まし、その状況などをクラスの子どもにも伝えてい
くことが大切である。同時に子どもが自分の言動を振り返り納得して折
り合いを付けられるように、問いかけたり共に考えたりし、子どもが自
分たちで思いを伝え合おうとする姿を十分に認め、支えていく援助も必
要である。遊びや生活の中で、子ども同士の気持ちのぶつかり合いや楽
しく遊びたいのにうまくいかないといった思いが生じた場面をとらえて
適切な援助を行うことが、子どもの道徳性・規範意識の芽生えを育んで
いくのである。
こうした幼児期の経験は、小学校生活において、初めて出会う人の中
で、幼児期の経験を土台にして、相手の気持ちを考えたり、自分の振る
舞いを振り返ったりなどしながら、気持ちや行動を自律的に調整し、学
校生活を楽しくしていこうとする姿へとつながっていく。 

保育所保育指針解説ー厚生労働省ーP81‐P83 

 

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