0歳児と1歳以上での大きな違いは、離乳食か完了食だということです。
離乳食は子どもの成長に合わせて硬さや大きさを変えなければいけないので、調理としては少し手間がかかります。
しかし、子どもの発達に合わせた離乳食を用意することはとても大切になるため、離乳食の進め方についてお伝えしたいきます。
初期・中期・後期の特徴ってどんなこと?
【初期期】(ゴックン期)
初期期は、生後5〜6ヶ月頃から始まり、おっぱいやミルク以外の食物を初めて与える時期です。
この期には、赤ちゃんがまだ舌で食べ物を上手につかめないため、柔らかく煮たりすりつぶした野菜や果物のペースト、または米粉などを水分で溶いたうすい粥などを与えます。
また、牛乳や卵、魚介類などのアレルギーのリスクが高い食材は避けることが望ましいです。
初めて離乳食を導入する段階(初期期)では、1回の食事につきミルクの量は主としてであり、固形食品は少量です。
ミルクの量は通常の授乳量に近く、固形食品は数ティースプーンから始め、徐々に増やしていきます。
ミルクは栄養の主要な供給源であるため、赤ちゃんの満腹感や食欲に合わせて調整してください。
【中期期】(モグモグ期)
中期期は、初期期から約1〜2ヶ月後に始まります。
この期には、赤ちゃんの舌や口の筋肉が発達し、噛む力や嚥下(えんげ)力がついてきます。そのため、柔らかい野菜や果物、お粥などに加えて、肉や魚、卵黄、豆腐などのタンパク質を含む食材も与えるようになります。
また、食物の形状や歯ごたえを調整することで、赤ちゃんが食べ物を噛む練習をすることも大切です。
中期期に入ると、固形食品の量を増やし、ミルクの量を少しずつ減らしていくことが推奨されます。
ミルクの量は授乳回数や赤ちゃんの食欲に合わせて調整し、固形食品の種類と量を増やして栄養をバランス良く摂取できるようにしましょう。
【後期期】(パックン期
後期期は、およそ8〜9ヶ月頃から始まります。
この期には、赤ちゃんの嚥下力や噛む力がさらに発達し、食べ物の種類や形状にも対応できるようになってきます。
このため、一般食と同じような食事を摂ることができるようになります。
ただし、赤ちゃんの歯の生え方や咀嚼力に個人差があるため、食べ物の形状や大きさを調整することが必要です。
後期期に進むと、固形食品が主な食事となり、ミルクの量は更に減っていきます。
ただし、ミルクは依然として重要な栄養源であるため、授乳回数やミルクの量は個別の赤ちゃんの成長とニーズに合わせて調整してください。
以上が、離乳食のお初期期、中期期、後期期の特徴になります。赤ちゃんの成長に合わせて、食べ物の種類や形状を調整することが大切です。
また、食材のアレルギーや安全性にも注意しながら、バランスの取れた食事を提供するようにしましょう。
離乳食の注意点てなに?
離乳食は、栄養バランスを考えた多様な食材を使いましょう。主食(ご飯やパン)、たんぱく質(肉、魚、卵、豆腐)、野菜、果物などを組み合わせて与えることが重要です。
食材の調理方法としては、蒸したり煮たりして柔らかくすることが一般的です。
食材をつぶしたり、みじん切りにしたりすることもあります。
食材の形状や食感に注意し、赤ちゃんが食べやすいように調整しましょう。
アレルギーのリスクが高い食材(牛乳、卵、魚介類、小麦など)は、個別に導入する際に注意が必要です。
アレルギーの既往がある場合や家族にアレルギーの人がいる場合は、医師の指導を仰ぐことをおすすめします。
離乳食の進め方は、赤ちゃんの成長と個別のペースに合わせて調整しましょう。
食べ物の量や種類を少しずつ増やしていき、新しい食材を導入する際には注意して観察しながら進めてください。
離乳食の与え方については、赤ちゃんが食事に興味を持つような雰囲気を作ることが大切です。楽しい雰囲気で一緒に食べることや、赤ちゃんが自分でスプーンを持って食べる経験をさせることもおすすめです。
最初は少量から始め、徐々に量を増やしていきましょう。
赤ちゃんの食事のペースや満腹感に注意しながら、無理せず進めてください。
園では何回食べればいいの?
初期・中期・後期でミルクの回数が変わっていったり、量を変えていったりするということがわからないということがあると思います。
初期期(1回食)
初期期は1回食になるため、保育園での提供はしません。
なぜ園で提供しないのかというと、家庭でアレルギー食材を試すことができないからです。
初めての食材を園で提供してアレルギーが出てしまったら大変なことになってしまいます。
そのため新しい食材を増やすために園では提供しません。
ミルクは3時間~4時間おきに200ml用意し、飲めるだけ飲ませても大丈夫です。
200mlに設定したのは、50ml残ればその子の飲む量は150mlだということがわかり、個別に飲む平均料量を把握することができるようになります。
中期期(2回食)
中期期になれば2回食になります。
そのため1回は保育園・2回目は家庭という食事になります。
2回目が家庭という理由は1回食の時の対応と一緒で、アレルギー食材や新しい食材を増やすためになります。
ミルクは150ml用意して、足らなければ少し追加していき180mlぐらいを限界にしていくと良いと思います。
離乳食を始める理由は「固形物でお腹を補えるようになる」ということなので、ミルクを増やすのではなく、離乳食の量を少しづつ増やしていくことを推奨します。
2回食では主に給食を提供するため、朝のおやつや午睡明けのおやつはミルクで対応します。
後期(3回食)
後期になれば3回食です。
そのため、朝のおやつ・夕方のおやつもミルクではなく軽い食事(軟飯・パンなど)になります。
食べ物は段々と大人と一緒の物になり、離乳食でお腹を満たすことができるようになってくるため、ミルクは欲しがるときにだけ少し与えます。
この時期のミルクは食事を補うという目的もありますが、急にミルクがなくなると口元が寂しいという理由から欲しがる赤ちゃんが多いのではないかなと思っています(主観です)
どのタイミングで次のステップに進めばいいの?
保育園では次のステップに行くために保護者に協力をしてもらわなければなりません。
先ほどにも書きましたが、「初めての食材を保育園で食べる」ということはアレルギーの観点からものすごいリスクになります。
そのため、園で提供するアレルギー物質を予め家庭で試してきていただき、アレルギーでないということを確認してから出ないと提供できません
いくら次のステップに進めそう(噛める・吞み込める)でも勝手に次のステップに進むのではなく、家庭との連携を持って次のステップに進む必要があります。
まとめ
初期期(5〜6ヶ月頃): おっぱいやミルク以外の食物を初めて与える。柔らかく煮たりすりつぶした野菜や果物のペースト、うすい粥などを与える。
中期期(初期期から約1〜2ヶ月後): 赤ちゃんの舌や口の筋肉が発達し、噛む力や嚥下力がつく。柔らかい野菜や果物、肉や魚、卵黄、豆腐などのタンパク質を含む食材を加える。
後期期(8〜9ヶ月頃): 赤ちゃんの嚥下力や噛む力がさらに発達し、一般食と同じような食事が摂れる。食材の形状や大きさに注意し、個別の赤ちゃんの成長に合わせて調整する。
注意点として
栄養バランスを考えた多様な食材を使う。
食材は蒸したり煮たりして柔らかくし、つぶしたりみじん切りにしたりする。
アレルギーのリスクが高い食材には注意し、導入する際には医師の指導を仰ぐ。
赤ちゃんの成長とペースに合わせて食材の量や種類を調整する。
赤ちゃんが食事に興味を持つような雰囲気を作り、楽しい雰囲気で一緒に食べる。
最初は少量から始めて徐々に量を増やし、無理せず進める。
保育園での食事提供は
初期期(1回食): 保育園では提供せず、家庭でアレルギー食材・新しい食材を試してもらう。
中期期(2回食): 1回は保育園で給食を提供し、2回目は家庭でアレルギー食材や新しい食材を増やすために食事をする。
後期期(3回食): 保育園での食事提供が主となります。保育園では、赤ちゃんの成長や発育に合わせたバランスの取れた食事を提供することが重要です。
次のステップに進むには家庭と連携して、アレルギー食材・新しい食材に慣れてから保育園で提供をしていきます。
離乳食は進め方が難しく、保育士だけでなく保護者もわからないなか手探りで進めていると思います。
赤ちゃんをよく見て、どのくらいの硬さなら食べられるのか、量はどのくらいなのかなどを保護者と共有して赤ちゃんにとって楽しく食事がとれる環境を作っていってください